ヨーロッパの皆既日食  月が太陽を覆い隠すのが「日食」です。日食は、年に2回ぐらいの頻度で起こっていますが、地球上の限られた地域でしか見られないため、体験できる機会は多くありません。この写真は、1999年の夏、ヨーロッパから西アジアにかけての地域で起こった「皆既日食」(太陽が完全に隠される日食)の時にドイツで撮影したものです。  今後日本では、2009年7月22日に奄美から小笠原諸島にかけて皆既日食が見られ、2012年5月21日には関東から九州までの太平洋側で「金環日食」を見ることができます!

《作者より》

この日、現地では朝から雨がぱらつく悪天候でしたが、幸運にも太陽が欠けてくる頃には雲が立ち退き、青空が広がりました。次第にあたりが暗くなってひんやりした空気に包まれ、路上では多くの人々が「日食グラス」を手にして太陽を見上げ、露店は片づけられて街灯がともりました。「皆既」になる瞬間「ダイヤモンドリング」が現れると人々の歓声と拍手がわき起こりました。教会の時計の針が指しているのは、お昼の12時37分。この町での皆既継続時間はわずか1分半ぐらいでしたが、太陽からコロナが美しく広がり、左下には金星も輝いて、とても神秘的な雰囲気となりました。皆既日食が終わると、明るさをとりもどし始めた太陽を再び雲が覆い隠してしまいました・・・。

撮影データ

日時       1999年 8月11日 12時37分(現地時刻)    
露出        1/60秒
カメラ      ペンタックス LX       
光学系      ペンタックスA 20mmF2.8     絞り    開放    
フィルム     フジカラー 400    
撮影システム 手持ち撮影    
印画       オリンパスP-400 昇華式プリンター    
撮影地      ドイツ南部 バイエルン州の町 ランツフート    
町田謙吾
ヨーロッパの皆既日食
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