野中 敬

            ハウハイザムーン(月齢6.7)


 上弦(半月)の1日前の月です。ほぼ、中央の欠け際から少し左側にきれいな円形のクレーターが2つ重なりながら並んでいます。左からテオフィルス(直径100km)、キリルス(98km)です。それほど大きくはありませんが望遠鏡で見ると大変目立ちます。
 さて、月のクレーターは、このように重なり合っているものもたくさんありますが、そのほとんどが大きいクレーターの上に小さいものが載っています。この2つはわずかに大きい左側のクレーターが右の小さいほうに載っている珍しいものです。
 なお、当然右側のほうが古いクレーターですが、このキリルスという名は、5世紀のアレキサンドリア(エジプト)の司教の名からとったものですが、左側の新しいほうのテオフィルスの後の司教の名前だそうで、順番まで逆になっています。

<作者から>

 久々に晴れた夕方の夜空に高くかかっていた月で、気候もいいのでつい見入ってしまいました。まさに、ハウハイザムーン。“愛する人がいなければ月もない。あなたが来てくれたら暗い夜も明るくなる…”というモーガンルイスという人が作ったジャズスタンダードを思い出しました。

撮影データ

撮影日時         2006.5.4 19:38
及び露出         1/80 
光学系及         10p屈折望遠鏡(ニコン)NJP赤道儀
びカメラ          直接焦点撮影(F12相当)キヤノン20D ISO200
画像処理         ステライメージで画像処理
               CANON PIXUS9900iで出力
撮影地           自宅(浜松市貴布祢)

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