ばら星雲のグロビュール

いっかくじゅう座にあるばら星雲はその美しい形で有名です。中心部にはこの星雲から生まれたばかりの散開星団NGC4424があり、その光によって周囲の星間ガスが輝いてばらの形に見えています。この写真は星雲の発するHα光のみを透過するフィルターを使い、ばら星雲の一部を拡大して撮影したものです。グロビュールは「星の胞子」とも呼ばれ、星が生まれる一歩手前の星間ガスの濃いかたまりです。星が誕生する際、周囲のガスを集め自己の重力で収縮を始めます。内部の圧力が高くなり核融合反応が生じると星として輝くようになるのですが、グロビュールはその前段階のガスのかたまりです。画像の所々に小さな丸い真っ黒な点々が見えるのがグロビュールです。ガスの密度が高いためバックの星雲の光を遮ってシルエットとして見えています。ここから星が生まれるのはどのくらい先のことでしょうか。


撮影データ
    
撮影日時      2013年1月18、19日 
露出         5分×20枚   左右2コマをモザイク合成
カメラ        BJ−41L
フィルター     IDAS Hα
光学系       MT-250  FL=1500mm (F6直焦点)
撮影システム   三鷹光器GNS−26 恒星時自動運転
画像処理      フォトショップほか
印画システム   キヤノン MP960  
撮影地       磐田市
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