藤田 喜章 ・ 小野 敏郎
21世紀の幕開け
20cm屈折望遠鏡で撮影した2001年の初日の出です。今年の浜松の元旦は快晴で地平すれすれの低い雲から例年に無いほどのまばゆい太陽が顔を出しました。画面いっぱいの太陽に手前の雲と鳥(カモ類)と送電線(高圧線の一番上)が影絵のように写っています。太陽の輪郭が燃えているように見えているのは地球の大気の揺らぎによるものです。また太陽の中央には巨大な黒点がかすんで写っています。今は太陽の活動が活発な時期に当たるため多くの黒点が存在します。地平高度が低いほど大気の影響を受けるため透明度や屈折やゆらぎ(シンチレーション)の違いから、色や輪郭が毎年全然違う表情を見せてくれます。
≪作者より≫
日の出は毎日繰り返されるありきたりの現象ですが、地球が球体であったり自転していることが何となく実感でき宇宙を体感できる貴重な現象です。少し前の新聞にも一度も日の出、日の入りを見たことがない人がかなりいることを知り残念です。朝日と夕日の色が違うことが多いのをお気付きでしょうか。21世紀の幕開けに際して澄んだ空にこの日の日の出のように輝き昇るように、そして過去の遮るもの(雲)や張り巡らされたしがらみ(送電線)から空高く飛び立つ(鳥)のよう願いを込めて。
≪撮影データ≫
撮影日時 2001年1月1日 7:00
露出 1/4000秒
カメラ ニコンFM2
光学系 ニコン20cmED屈折 焦点距離 2400mm
フィルム コダック EPP
現像 ラボ
撮影地 浜松市