野中 敬
火星

 今年の4月初めには、約2年に1度の火星接近となりました。今回は、残念ながら小接近で楕円軌道のイタズラで大きくなりませんでした。それでも2か月ぐらい観望の好機ということで、望遠鏡でのぞくと大まかな模様は眺めることができました。
 今回は、気象条件に恵まれず、撮影に大変苦労しました。気象条件というのは曇りや雨の日ばかりだったということではありません。むしろ晴れの日は多かったのです。では何かというと、空気の「揺れ」です。天体望遠鏡を覗いたことがある方は経験したことがあると思いますが、普段でも、高い倍率で月や惑星を見るとゆらゆらせわしなく揺れているのです。そして、今シーズンは、これが大変ひどかった。
 ちょうどゴムまりをついた時のように形が変わって見えるのです。これではなかなか写真も撮れません。春中そんな感じでした。
理由はいつもより多く冷たい空気が日本の上空に入り込んできていて、春の暖かい空気と「戦っていた」ようなのです。天体観測からすれば迷惑な話です。
 さて、この次、近づくのは、2016年の初夏、今回よりも明るい大きな火星が望めるでしょう。そして、揺れの少ない火星を見てみたいものです。

撮影データ

撮影日時及び露出

光学系及びカメラ
   
 
    
画像処理

撮影地 
2014 5.6 22:03
1/39  約1,000枚を合成
25p反射望遠鏡(タカハシ・ミューロン)NJP赤道儀
バローレンズで焦点距離を3倍にして拡大撮影(F36相当)
DMK21AU618(モノクロイメージ撮像)
DFK21AU618(カラー情報撮像)
レジスタックス6、ステライメージ5で画像処理
CANON PIXUS PRO-100で出力
自宅(浜松市浜北区貴布祢)
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