兼松 哲治
ラブジョイ彗星

  昨年の暮れから増光してきたラブジョイ彗星が今年1月には4〜5等台まで明るくなり、久しぶりの明るい彗星の出現で話題となりました。彗星は、地球と同じ太陽系の仲間で、楕円形の軌道をとりながら長い周期で太陽の周りを回っています。彗星はおもに氷や塵でできており、太陽に近づいたとき長い尾を引いた姿で観測され、日本ではほうき星とも呼ばれています。この尾をひいた姿が非常に美しく、また日によって形が刻々と変化するので、とても興味深い撮影対象となります。

<<作者より>>

 ラブジョイ彗星が明るくなったという情報で、真冬の家老平へ撮影に行きました。家老平は天竜スーパー林道で、唯一真冬でもいけるところですが、標高が1000mを越えるため積雪も少しありました。
 通常、暗い彗星は望遠鏡に導入するのが大変なのですが、この彗星は明るく、すぐにカメラのファインダーに飛び込んできました。また双眼鏡でもその美しい姿を充分に観測することができました。
 彗星は撮影中も移動を続けますので、露出時間の短い画像を数枚撮影し、彗星の中心に合わせて合成しています。そのため、星が流れたような写真となっています。

撮影データ

撮影日時
露出
絞り
カメラ

光学系

撮影システム

現像システム
印画システム
撮影地
2015年 1月12日18時58分〜
3分×10枚、iso1600、彗星核コンポジット

キヤノン EOS KissX2(SEO−SP4C改造)
UIBARVフィルター使用
BORG 101ED+レデューサF4DG
(口径101mm、合成焦点距離410mm、f4.1)
タカハシ EM10USD赤道儀
PHDGuidingによるオートガイド
Photoshop CS6、ステライメージ7等で画像処理
キャノン PRO−100S、キャノン光沢proプラチナ用紙
静岡県浜松市天竜区水窪町 家老平
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