町田 謙吾
ラブジョイ彗星

 「ラブジョイ彗星」と言うと昨年(2014年)のこの写真展にも出ていましたし、2011年の12月に南半球で雄大な姿が見られたラブジョイ彗星もありますが、発見者が同じでどれも別の彗星です。
 太陽系の辺境からやって来る氷の塊「彗星」は太陽に近づくと明るくなって尾を伸ばすので、その最盛期は太陽の方向(日の入り直後か日の出前)に見えることが多いのですが、今回のラブジョイ彗星は太陽最接近でも地球軌道の外側でした。しかし地球から近い所を通った上に、真夜中でも見られる位置にあったので、長い期間楽しむことができました。
この彗星の軌道は他の惑星の公転面に対してほぼ垂直に立っており、南から北へ移動していきました。

《作者より》

 肉眼でも見られる彗星がやって来た、というと居ても立ってもいられなくなり、寒い冬でも車を飛ばして山へ向かいます。しかしこれを撮影した1月の標高1,000mを超える山の上は氷点下10℃の寒さで、彗星に夢中になっても寒さを忘れることができないほどでした。雪か氷か分からないようなものが舞っていて、明るい星の像が少しにじみました。
 彗星は背景の恒星とはまた異なる動きをするので、彗星を追尾撮影すると恒星が線になって写りますが、宇宙に浮かんでいるイメージにしたかったので恒星を点に写すことにこだわりました。

撮影データ

日 時    
露 出    
カメラ    
光学系   
           
追 尾    
印 画    
撮影地    
2015年 1月10日 21時16分より
3分×3 計9分(後半2コマは恒星を除外してコンポジット)
CANON EOS 6D  ISO 1600
TAKAHASHI TSA-120 口径12cm屈折望遠鏡 
レデューサー使用 焦点距離635mm F5.3
TAKAHASHI EM-100赤道儀・STiによる恒星追尾
CANON PRO-1プリンター
水窪町 家老平
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