野中 敬
月面七景E  マウロリクスの不思議

マウロリクス自体はありきたりのクレーターですが、まわりとの関係が大変面白いのです。月のクレーターは大きなクレーターに小さなクレーターが重なっていくのがほとんどです。つまり、大きなクレーターを小さなクレーターが侵食することがあっても、小さなクレーターの上に大きなクレーターが侵食しているのはほとんどありません。試しに、写真をもう一度ごらん覧いただければわかると思います。
 そこでこの例外です。中央やや右のはっきりしたのがマウロリクスクレーター。すぐ上の右のクレーターとおぼしきものをご覧ください。マウロリクスに半分飲み込まれているように見えます。次にすぐ右下の古いクレーターも明らかにマウロクリスがかぶさっています。初めて見たときは、ええっ!こんなのアリですかと思いました。あるんですねぇ。ちなみにこれら2つの小さいクレーターの名前はないようです。

<作者から>  7つのシリーズでひとつぐらいこういう話がないとね。

撮影データ

撮影日時及び露出 

光学系及びカメラ 



画像処理 

撮影地  
2015.4.26 18:36
1/60 約1,000コマを合成
25p反射望遠鏡(タカハシ・ミューロン)NJP赤道儀
直接焦点で撮影(F12)
Skyris445M(モノクロイメージ撮像)
IR742フィルター使用
レジスタックス6、ステライメージ5で画像処理
CANON PIXUS PRO100で出力
自宅(浜松市浜北区貴布祢)
inserted by FC2 system