宇都正明
M33
さんかく座にある有名な星雲で、アンドロメダ大星雲と共に銀河系のおとなりの銀河と呼ばれる星雲です。
おとなり、と言っても、この星雲は260万光年もの彼方にあります。
光は1秒間に地球を7周半も回るだけの距離を進むことが出来ます。その光が1年かかって進める距離を1光年と言います。この星雲は260万光年・・つまり、もし、光と同じ早さを進むことが出来るロケットを作ったとしても、この星雲にたどり着くには、260万年もかかってしまいます。
逆に考えると、この星雲から出た光は260万年経って地球に届いたわけですから、今見ているこの星雲は260万年前の姿ということになります。
260万年前といえば、人類の祖先といわれるアウストラロピテクスが進化しはじめた頃ですから、我々人類がこの星雲を訪れることはないでしょうね。
おとなりといってもさすがに宇宙のおとなりさんはスケールが違います。

ところで、それでもこの星雲は、近くにありますので、アマチュアでも、高分解能で捉えることが出来ます。星雲までの距離を求める方法の一つにケフェイド型変光星の明るさから求める方法がありますが、この写真でも、そのケフェイド型変光星を確認することが出来ます。

≪作者より≫

系外銀河は、余り色彩がないと言われていますが、この写真では思い切って、彩度を強調してみました。銀河中心部は比較的年老いた星々が多い為、黄色身がかります。また、青い若い星々が銀河の腕にそって点在しています。
また、M33内部の散光星雲が赤く点在しているのですが、腕の外側の散光星雲は赤い水素だけでなく青い酸素線も強く、紫色になっています。

≪撮影データ≫

■撮影者      宇都 正明
■光学系      タカハシ MT160+レデューサー 合計焦点距離768mm F4.8
■カメラ        ST7カスタム 冷却CCDカメラ  
■赤道儀       Takahashi EM-200USD+Pyxis
■フィルタ      IDAS社製天文用原色干渉フィルタ(Type-U)
■撮影日時    2004年11月6日 
■撮影地:     静岡県磐田市内
■露光時間     L=5分×9,R=5分×3,G=5分×3,B=5分×4
■画像処理    StellaImage4,PaintShopPro7 
■出力        Canon PIXUS990i
            Canon純正プロフェッショナルフォトペーパー
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